2017年3月竣工
宮城県北上町
古民家再生
築300年の茅葺き古民家にIT開発という最先端の機能を入れ、3世紀を跨いだ文化交流を元に、地方と古民家の再生を進めようというプロジェクト。
建物は長い歴史の中で繰り返された増改築により、梁は新建材の天井によって隠されてしまい、土間には床が貼られ、板張りの床の上には畳が敷かれていた。そのように隠されてしまっていた古民家の架構の力強さや本物の素材の美しさを再び表し、現代的価値観の中で再生させることを設計コンセプトとした。
- 新建材で覆われてしまっていた天井を落とし、力強く美しい架構をあらわしとする。
- 新築時は仕上げとして使われていた床板を建物内外の壁仕上げ(羽目板)材として再利用。
- 玄関から入った空間は、元来の土間空間に戻す。
- 改修で作られていた増築部分や間仕切り壁は撤去し、そこで使われていた土壁の土と漆喰を混ぜ、壁仕上げとする。
- etc…
様々な時代を生き抜いてきた建物が、ソフトウェア開発というハイテクな環境と出会うことで、単なる懐古主義ではない、ハイブリッドな古民家へと生まれ変わり、また数百年という歴史を刻んでもらいたい。