東京都
認可保育所/木造2階、468.12㎡2
2021年竣工
- 敷地は、都市計画道路計画線を含む不整形な台形地であった。
- 都市計画道路が完成した場合の建物の立ち方、南側の戸建て住宅に対する防音や街並み形成としてボリューム感の整理、道路に面し、桜並木と小川がある西側への眺望が求められた。
- 3つの長方形が平面的に雁行しながら、北側へ低くなる建築形態として、不整形な敷地にフィットさせながら、街並みボリュームとの調整を行い、住宅のない北側の2階は、3〜5歳児の屋上外遊び場とした。
- 建築は2階建ての準耐火木造建築物とした。計83人定員の保育室は、基本6.37mスパンの空間とした。
- 廊下や階段をただの動線として設計すると退屈な保育園になりがちであるため、子どもの作品展示スペースとしたり、ライブラリー利用できる空間とすることで保育園全体が子どもの場であるようにデザインした。
- 絵本を読むために、中白色かつ照度の高い保育室の要望が園からあった。子どもが落ち着ける空間には、住宅のリビング程度の電球色で明るすぎない保育室がよいのではないかという設計の考え方があったが、クライアントと照度・色温度を体験しながら、白色(4000K)の照明をメインに明るい照度を作り、低い位置に電球色のブラケット照明を設置することで、明るくかつ落ち着いた空間を両立することができた。
- また、準耐火木造建築は、天井の開口が制限され、一般的には露出照明が設置される。明るい照度を得るためには、多くの照明器具が必要であったが、露出の直管ベースライトでは施設的な印象になる。孔空きシナ合板による照明ボックスを設置し、家庭的な穏やかな木質空間とした。